益田ファンデーションさんに縫製を依頼!

益田ファンデーションさんに縫製を依頼!

「同郷のよしみ」という言葉がある。

僕たちは島根県益田市から外へ打って出ようとしている手前、同郷のよしみに甘えて何かしらの便を図ってもらったりすることは、あまり褒められたことじゃないと思っている。自由競争の中でフェアに争い、勝利してこそ、そのプロダクトやサービスに真の価値があるというもの。

と、息巻いていたのは益田ファンデーションさんに依頼したブツが納品されるまでで…。今では同郷のよしみサイコーです。

というのも、その同郷の大先輩のよしみに甘え、同郷にそのような先輩を持つ運に恵まれて、そのおかげもあって、いいものができてしまった。

僕たちのDRY-X Raglan Tee Shirtと、Merinowool Boatneck Shirt島根県益田市にある縫製工場、益田ファンデーションさんに縫製を依頼し、完成した。

それはもう納得の出来栄えと仕上がりで、満足いってるなんて言葉では片付けられないほど。

嬉しかったのは納品された現物を見た時もだが、引き受けてもらえることが決まった時点で既にめちゃくちゃ嬉しかった。



誰もが知っているファッション業界の大手や、縫製が品質を大きく左右する下着/肌着メーカー大手からの依頼も多い益田ファンデーション。一流の仕事をされている。



僕らの小さな依頼を引き受けてくれたのは、雪村社長と僕たちが同郷のよしみということと、地元の若輩企業が新しくアパレル業界で挑もうとすることを応援してくれたのだと思う。


きっと、雪村社長だけではなく、実際にミシンで縫ってくれているおばちゃんたちも、1針1縫いに想いを込めて応援してくれているに違いない。(どんなところからの仕事でも同じように思いを込めて縫製していると思うけど…)



実は、益田ファンデーションさんに依頼する前は、諸事情あって関東の縫製工場にお願いした。もちろん最初から益田ファンデーションさんにお願いしたい気持ちはあったが、その時点では益田ファンデーションさんと都合や条件があわなかった。

そこで依頼した関東の工場も非常に有名で大手の仕事をたくさんやっているところ。仕上がりもとても良い。

しかし、はじめての縫製工場への依頼ということもあり、慣れないやりとりの中で若干苦戦した。思い通りに進まないこともあった。

そんな時にふと頭をよぎったのは、全く同じ生地を使って同じ仕様で、縫製技術レベルも同じくらいハイレベルな縫製工場に依頼した場合、(工場の場所以外の差が何もない条件では)どこで縫製してもその服に何かしら差は生まれないのか?という問い。



僕たちの本拠地島根県益田市の同じ空の下縫製工場なら、あわよくば同郷のよしみということで、何かしらポジティブな現象がおきて、良い結果が生まれるのでは?!と

期待した。

人の手で縫製している以上そこには、クオリティに直結する「手間暇」というものが介在するはずだ。同郷のよしみがその手間暇をちょっとくらい増やしてくれてもおかしくない。

そんな勝手な期待で、「益田ファンデーションさんに縫製して欲しい。」という想いはどんどん大きくなる。今度は益田ファンデーションさんの都合の良いタイミングまで待とう。引き受けてもらえる条件を揃えよう。そう思った。

いくつかのラッキーと、協力者のおかげで、益田ファンデーションさんにとてもよい条件とタイミングでお願いすることができた。

依頼してからほどなくして、納品物が届いた。

僕の中では、最高の仕上がりだ。多分そう思おうとしていることも多分にある。人に聞いても仕上がりにあまり差はないと言われることがほとんどだ笑

まあ、でもその「思おうとする気持ち」も着心地や感覚を左右する上で大切なことなのかもしれない。このブログが結局気の持ちよう!的なオチにしてしまってなんだか申し訳ない気持ちだけども…

そう「思おうとする気持ち」はたぶん今の所僕しか持っていないかもしれないから、一応ブログでもしたためて1人でも多くの人に同郷のよしみが何かしらポジティブな効果を生むと「思おうとする気持ち」を持っていただけたらと思う。



僕たち益田工房は、もう一つの事業の方で、遠く離れたクライアントのデザインの仕事をさせてもらったり、遠隔地にいる仲間と連携することが多い。むしろそれがうまくできることを売りにしていたりする。

今回の依頼は、同じ益田市にいる精神的にも物理的にも近い益田ファンデーションさんだから、何かしらよい関係性が自然と生まれ、うまくいった。

遠いとうまくいかないという結論は避けなければいけない。

同郷のよしみと同じような、場所や、距離の近さに依存しないよしみもきっとあるはずだ。それを探そう!

僕たちが服作りを通して実現したいことは、遠い人やよしみのない相手との仕事では生まれないものだと気づかされた。

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